2014年2月10日月曜日

レビュー:Arrows Tab QH55/M Windowsタブレットの完成形?

Windows 8タブレットとしてICONIA W3-810(レビュー1)を持っていたのですが,いろいろ足りないところが気になっていました.そこで,新しく発売されたArrows Tab QH55/M(実際はWQ1/M)に買い換えました.

ICONIA W3-810の不満点
  • 画面が汚い(TN液晶+低解像度)
  • タッチ操作では操作し辛い
  • SSDの容量が最大でも64GBと少ない
  • CPUがClover trail世代の為,グラフィック周りが貧弱
  • 端子がmicro USBの1つのみ
  • USB充電できない
これらの問題に対してArrows Tab QH55/M(実際はWQ1/M)
  • 画面が綺麗(IPS液晶+超高解像度)
  • ワコムのデジタイザ対応+対応ペンが本体に収納
  • メーカー直販ならSSDの容量が128GBまで対応(+micro SDにも対応)
  • CPUがBay Trail世代の為,グラフィックが強力
  • フルサイズUSBとmicro USB
  • USB充電できる(充電専用端子もあり)
液晶は,解像度が2560x1600と超高解像度であることに加えてIPS液晶なので,かなり綺麗です.
タッチパネルに対応しているのと相まって,WordやPDFの資料を読むのにも便利です.

超高解像度のデメリットとして,アイコンが手で押すのには小さくなりすぎる問題があるのですが,ワコムのデジタイザに対応していて,対応ペンが本体に収納されているので細かいタッチも可能です.
ペンは本体とストラップで繋げるようになっているので,落として無くしてしまう心配もありません.
細かい点ですが,外出時や出張時にはありがたいです.
そのうち追加でレビューを書きますが,ノートとして普通に使えるレベルになっています.

Windows 8タブレット全般の弱点なのですが,SSDの容量が32GBか64GBの物が一般的で,容量のやりくりが必要です.
しかし,QH55/Mの直販版のWQ1/Mは,128GBの構成が選択出来たため余裕があります.
私はさらに64GBのmicro SDを装着して合計192GBにして使用しています.

W3-810のCPUはClover trail世代だったので,処理自体の遅さは許容範囲内だったのですが,グラフィック部分がPowerVRと貧弱だったため気になっていました.
QH55/MはBay Trail世代のAtomのため,Intel HD Graphicsを搭載していてDirectX 11に対応しています.
3Dのゲームをやったりすることはないですが,それ以外の描写でも早くなっています.
ただし,QH55/Mは解像度が高いため,動作のサクサク感は感じられません.
許容範囲内といったところです.

8インチのタブレットの問題点としてフルサイズのUSBがついていないため,出先でUSBメモリでのデータの受け渡しに困るといったことがありました.
QH55/MはフルサイズのUSBがついているため,別途変換ケーブルやHUBを用意しなくても済みます.
さらにmicro USBと充電用端子があるところも便利です.

USB充電にも対応しているので,モバイルバッテリー等から給電できて万が一の時も安心です.
W3-810の後継機はUSB充電に対応した物の充電専用端子が取り除かれるという問題があったので(充電中はUSBが使えない),充電端子は別に用意されていて便利です.

ここまでは良かった点ですが,使ってみて残念だったところも挙げておきます.
  • いきなりバッテリーを認識しない(BIOSアップデートver 1.07で修正されました)
  • デジタイザの精度は高くない
  • micro USBの入出力電流は500mA
  • HiDPIに対応していないアプリケーションが微妙
  • 外部出力端子が無く,純正品も相性がある
まず,到着時点でタブレットにもかかわらずバッテリーを認識しないという問題が発生しました.
初期不良で送り返しても良かったのですが,BIOS画面で電池を使い切ると復活するという情報があったので,数度試してみたところ(1回では上手くいかなかった)無事バッテリーを認識して残容量が表示されるようになりました.
(追記)BIOSアップデートで修正されました.

デジタイザがあるので,細かいポイントや文字を書いたりは出来るのですが,4点補正のため精度はあまり良くないです.
特に画面の端の方は精度が低いので,使い勝手がイマイチよくありません.
ただし,ホバー機能があるので,ポイント位置は見えるので何とかなります.
この点は静電容量式や感圧式のように押してみるまで,どこが押されるか分からない心配が無いので便利です.

micro USBは入出力とも500mAで制限されているようです.
レノボのモバイルUSB液晶LT1421を接続したところ,上手く動作しませんでした.
フルサイズのUSBでは動作したのでmicro USB側のみ出力電流が低いようです.
micro USBは充電にも対応しているのですが,充電スピードはかなり遅いので,入力側も500mAのようです.
充電のスピードは,使いながらも残容量が増えも減りもしない程度のスピードです.

Windows 8.1の問題になるのですが,HiDPIに対応していないアプリケーションの場合,文字やアイコンが小さくなったり,フォントが汚くなったりします.
使っている人が多そうなところではChromeが該当します.
一応HiDPIに対応させる隠しオプションはあるのですが,有効にするとレンダリングがむちゃくちゃになってしまったので,現段階では有効にしないことをお勧めします.

私は,出張先でのプレゼンに使うこともあるのですが,外部出力端子はついていないので,別途用意する必要があります.
とりあえず,純正のmicro USB-VGA変換ケーブルを買ったのですが,一部のモニタやプロジェクタでは外部出力が出来ませんでした.
上手く接続出来ない場合は,解像度の変更をすることも出来なかったので困りました.
解決策は,相性問題がでないモニタに一旦つないだ後に,相性問題がでるモニタにつなぎ直すと無事表示されました.
ただし,出張時には無理なのでUSB-VGAの変換ケーブルを念のために別途購入しようと思います.

(まとめ)
Windowsのタブレットでもタブレットとして使えるレベルに到達している製品です.
W3-810等の初期のとりあえず作ってみました的な製品ではなく,後発としていろいろ考えられています(Windows自体も含めて).
一部HiDPI非対応のアプリケーションもありますが(Windows自体の問題),Windowsタブレットとしては完成形の一つなのではないでしょうか.
そのために,一番重要なところデジタイザに対応したペンが本体に収納されていることだと思います.
少なくとも現在のWindowsはデスクトップ部分をタッチ操作で完結させることは困難なのでデジタイザ対応ペンが使えることは,とても重要でした.
というわけで,購入して1週間程度のレビューでした.
カバーやスタイラスなどの周辺機器については,後日追加でレビューする予定です.

レビューを追加しました.

0 件のコメント:

コメントを投稿