2013年3月9日土曜日

レビュー:TRACKBAR emotion(トラックバー エモーション)

トラックポイントキーボードからHHKBに戻した事によって,あたりまえですがトラックポイントが使えなくなりました.HHKBはコンパクトなのでマウスまでの距離が短く,それ程問題にはならないのですが,ホームポジションのままポインティングできるトラックポイントからなので手の移動量が大きくなり少し気になります.

そこで,TRACKBAR emotion(トラックバー エモーション)という物を導入してみました.これはキーボードの手前側におくタイプの物で,ローラーを使ってポイント操作を行います.ローラーによる操作は,ローラーを転がす操作が上下移動で,ローラーが左右にスライドできるので,それが左右移動になっています. ローラー以外にマウスホイール,左右クリックボタンと追加の左右ボタンがついています.

いつもと同じくメリットとデメリットですが,以下の様になります.

メリット
  • ホームポジションのままポイント操作が可能
  • ホイールと左右ボタンもついているので,マウスと同じ操作ができる
  • 投げ売りされていて安い
まず,トラックポイントほどでは無いですが,ホームポジションのままでの操作が可能です.いちいちキーボードから手を離さなくても操作できるので楽です.ただし,後述しますが楽に操作できるのはポイント操作のみです.

次に,マウスと同じボタンが設置されているので,マウスと遜色ない操作ができます.トラックポイントキーボードを含めて似たような製品はあるのですが,以外とマウスホイール,左右クリック,中クリックの全てがそろっている物は意外と少ないです.トラックポイントキーボードでもホイール操作は微妙(効かない場合がある)でしたので,全てそろっているトラックバーはかなりポイントが高いです.

最後に,通常価格は2万円ほどするのですが,現在サンワダイレクトで投げ売りされていて2千円で購入できました.安かったのでHHKBと同じくパソコン毎に用意しました.正規品はサンワダイレクトのパッケージと説明書が入っているのですが,投げ売りされている物は並行輸入品のようで,パッケージは海外の物が使われていて,説明書は正規品をコピーしたものが一枚だけとなっています.昨日は全く同じなので問題はありません.

デメリット
  • 操作性が独特で使いにくい
  • ローラーとボタンの間隔が広すぎて押しにくい
  • ローラーのボタンは操作の種類を変えることが出来ない
  • 掃除が出来ない
 デメリットとしては,まず独自の操作性があります.ローラーの上下は回転に対してリニアに移動量が決まるようなのですが,水平方向は加速度を考慮した移動量になっています.つまり,スライド量が同じ場合でも,早く動かした場合は移動量が大きくなり,ゆっくり動かした場合は移動量が小さくなります.スライドは物理的に行うため端に到達した場合はローラーが止まるのですが,そこでポインタも移動できなくなると困るため端に到達した場合は高速にポインタが移動する様になっています.これがくせ者で,細かい作業をしようとしてゆっくりスライドさせていると端に到達しやすくなり,いきなりポインタが飛んでいってしまう現象に何度も遭遇しました.この辺りの操作の調整は難しいところだとは思うのですが,慣れないうちは結構戸惑います.慣れれば高速にスライドさせてもポインタを合わせられるようになってくると思うので,問題なくなるかもしれません.

次に,ローラーとボタンの間隔が広すぎるため,ボタンやホイールを押す場合は多少ホームポジションから離れる必要があります.これは私の手の関節が硬いだけという可能性もありますが,少なくとも私の場合は厳しかったです.あと1~2cm位はボタンが奥に配置されていて欲しかったです.

本家のホームページ(http://www.eurooffice.com/sd3.asp)からWindowsのドライバがダウンロード可能になっていて,ボタン毎の操作内容を変更することが可能です.マクロなども設定できるようになっていて高機能なのですが,ローラーを押した場合の操作だけは何故か変更不可です.ローラーを押した場合はダブルクリックになっているのですが,私としては左クリックが良かったです.

最後に,後々問題になると思うのですが,掃除が出来ません.初期のモデルではローラーの裏側部分に取り外し可能なカバーがあったようなのですが,現在のモデルでは接着されているようで取り外しが出来なくなっています.そのため埃がたまったとしても掃除が出来ません.2千円なので使い捨て程度で考えられますが,正規価格で購入している場合は問題になると思います.


現在の価格が2千円ということもあり,この価格であれば満足出来る製品です.ただし2万円を出してまで欲しい製品ではないと思います.私の場合はHHKBを使っているので恩恵は少ないのですが,テンキー付きのフルキーボードの場合はマウスまでの距離が遠くなるので便利な製品だと思います.似たような製品で,もう少しコンパクトな物もあるので,そちらに移行するかもしれません(ホームポジションから手を離さなくても操作可能であれば2万円位までなら購入しそうです).

2013年3月8日金曜日

レビュー:HHKB Lite2

最近はトラックポイントキーボードを使用していたのですが,パンタグラフだと手がかなり疲れるので,それまで使っていたHHKB Lite2(日本語配列)に戻しました.

Happy Hacking KeyboardならPro(英語配列)だろ!という方も多いとは思いますがLite 2で日本語配列です.
基本的にProに勝てる要素は無いのですが,個人的な嗜好によってはLite2や日本語配列の方が良い点もあります.

  • 安い
  • Fnキーが押しやすい位置にある
  • キーボードの押し下げ圧が高め
  • 親指周りにキーがたくさんある
まず,価格帯が全く異なります.5千円と2~3万なので完全に別物です.安いので複数個所持して必要な場所毎に設置しても懐が痛みません.さすがにProを3台以上買うのはためらわれます.

HHKBはコンパクト過ぎる故にいくつかのキーはFnキーとの同時押しをする必要があるのですが,F1~F12はともかくHome,Endやカーソル等は全て右手側に集まっています.にもかかわらずPro英語版だとFnキーは右手側にあるため,試してみたところFnキー関係は押しにくいと感じました.それに対してLite2日本語配列では両側にあるので使いやすいです.

キースイッチはメンブレン方式なので静電容量式より駄目だと思われがちですが,個人的にはキー押し下げ圧は強めが好みなので45gのProより55gのLite2の方が好きです.ただし,Lite2はキーのぐらつきや引っかかりがあるので,スプリングが強めのProがあると良いです.

日本語配列の良いところは変換,無変換などのいらないキーが親指周りに配置されていることです.これらのいらないキーをどう使うかというと,親指シフト的発想でよく使うキーを割り当ててしまいます.具体的には,無変換→ESC,変換→BS,カタカナ→全角/半角にしています. 基本的には右上と左上の端のキーを親指位置に持ってきています.私は手の関節が柔らかくないので,上の3つのキーを押すときにホームポジションから手がずれやすいのと,単純に遠いので押しにくいという問題がありますが,親指に割り当てることで楽に入力できるようになりました.問題点としては,他人のキーボードを操作するときに誤入力してしまうことですが,そのような場面は希なので大きな問題にはなりません.配列変更も3日くらい使っていると慣れます.

ところで,最近「Majestouch MINILA」というキーボードが発売されました.これは上記の親指を遊ばせておくのはもったいないという思想に基づいて作られていて,スペースバーの両サイドがFnキーという特殊なキーボードです.これは配列的にはHHKBよりも良さそうです.Fnキーによるカーソルキー(何故WASDではなくESDFなのかは不明です)は左側になっているので使いやすそうです.価格も1万円程度なのでHHKB Proの半額程度で済みます.またキースイッチが4種類有り重めの黒軸も選べるので,近いうちに購入してしまうと思います.